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EARTHマガジン(アースマガジン)|「森と海をつなぐ日本の再出発」緊急シンポジウム 速報レポート

東日本大震災を経て、自然との向き合い方、私達の生き方を今一度考える。"

 2011年5月12日東京都港区南青山「森と海をつなぐ日本の再出発」緊急シンポジウムが開催された。 このシンポジウムは東日本大震災以降の再出発ともいえる日本の復興、今後の日本を考えるもので、稲本正さん(NPO法人どんぐりの会、オークヴィレッジ代表)の呼びかけで急遽開催が決定したものだ。
パネリストとして、今回の震災で被災された畠山重篤さん(NPO法人森は海の恋人代表)をはじめ、アファンの森をつくられているC.Wニコルさん(作家、環境保全活動家、探検家)ら山・川・海に対する有識者がパネリストとして参加した。

 畠山重篤さん(NPO法人森は海の恋人代表)は、今回の震災で母親を亡くしている。震災での想像を超える体験談を語りながらも、これからも海と生きていく想いを語った。
「これだけ海に蹂躙されていながら、周りの人も含めて誰も海を恨んでいる人はいない。家を流された人たちも、海の見える高台に戻りたいと言っているんです。
これは本当に不思議な感覚かもしれないですけれども。海を恨むとか、津波を恨むような意識はまったくありません。
これから、なんとかみんなと海の仕事を立ち上げようと考えています。今ご支援頂いておりますけれども、もう少し末永く長い目で見ていただければと考えています。『森は海の恋人』の世界は健在です。」

 また今回の震災の経験から、知らない間に電気・水道などのライフラインに依存していたと語り、人間に一番必要なのは火と水であることを語った。

C.Wニコルさんは、自身のアファンの森を事例として取り上げ「森は水の母、目に見える水から、目に見えない地下水まで日本の綺麗な水を育んでいるのは森なんです」と森と水の関係を話した。

今回のシンポジウムを呼びかけた稲本正さん(NPO法人どんぐりの会、オークヴィレッジ代表)は、「人間が生きる事の基本から考え直す時期に来ている。自然の中でどう生きるか。そのモデルを作る。この震災を経て自然の中で生きるモデルが日本にできれば、新しいモデルを世界に発信する事ができるだろう。」と締めくくった。

3月11日の大震災は東日本に多大なダメージを与えた。「想定外」という言葉が日常化するほどのすさまじい被害が連日報道され、わたしたちは自然の持つ力を前に「文明」というもの脆さを痛感した。エネルギーの問題なども含めて、わたしたちの生活・ライフスタイルを根幹から見直す機会であることは間違いない。EARTHマガジンとしても引き続き、「地球に祝福される生命」とはどのようなものなのか追求していきたい。

パネリスト

 畠山重篤 (NPO法人森は海の恋人代表)
 C.Wニコル (作家、環境保全活動家、探検家)
 稲本正 (NPO法人どんぐりの会、オークヴィレッジ代表)
 高見裕一 (元衆議院議員)
 大熊孝 (新潟大学名誉教授、河川工学専門)

司会 

 宮林茂幸 (東京農業大学教授、美しい森林づくり全国推進会議事務局長)

パネリストプロフィール

畠山重篤 (NPO法人森は海の恋人代表)

宮城県気仙沼にて営んでいた牡蠣養殖場、船、作業場など壊滅的被害を被る。震災/津波により、母を亡くす。「必ず海は戻る!」と力強く立ち上がる。
1943年中国上海生まれ。県立気仙沼高校を卒業後、家業の牡蠣養殖場を継ぐ。海の環境を守るには海に注ぐ川、さらにその上流の森を守ることの大切さに気付き「牡蠣の森を慕う会」を結成。1989年より気仙沼に注ぐ大川上流の室根山で、漁民による広葉樹の植林活動「森は海の恋人」運動をすすめて17年目になる。この活動は、小・中学校の教科書にも紹介されている。同時に、環境教育の手助けとして上流域の子どもたちを養殖場に招く体験学習を続け、招いた子どもたちは7000人を超える。2003年に緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰。2004年に宮沢賢治イーハトーブ賞受賞。2005年には、京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授にも就任。94年朝日森林文化賞、2000年第6回環境水俣賞、2004年第52回日本エッセイスト・クラブ賞などを受賞。

C.Wニコル (作家、環境保全活動家、探検家)

英国南ウェールズ生まれ。1967年より2年間、エチオピア帝国政府野生動物保護省の猟区主任管理官に就任。シミエン山岳国立公園を創設し、公園長を務める。1972年よりカナダ水産調査局淡水研究所の主任技官、また環境保護局の環境問題緊急対策官として、石油、化学薬品の流出事故などの処理に当たる。1962年に空手の修行のため初来日。1980年、長野に居を定め、執筆活動を続けるとともに、1986年より森の再生活動を実践するために、荒れ果てた里山を購入。その里山を『アファンの森』と名づけ再生活動を始める。2002年、アファンの森での活動や調査等をより公益的な活動を全国展開するために「・C.Wニコルアファンの森財団法人」を設立し、理事長となる。1995年7月、日本国籍を取得。2005年、英国エリザベス女王陛下より名誉大英勲章を賜る。

稲本正 (NPO法人どんぐりの会、オークヴィレッジ代表)

作家。工芸家。1945年富山県生まれ。立教大学に勤務後、1974年に「人と自然、道具暮らしの調和」を求めて工芸村「オークヴィレッジ」(岐阜県高山市清見町)を設立、代表となる。お椀から建物まで幅広い工芸を展開する一方、植林活動を行い地球環境における植林生態系の重要性を発信し続ける。
1999年、長年の環境保護運動の功績により「みどりの日」自然環境功労者表彰受賞。現在、岐阜県教育委員会教育委長、東京農業大学客員教授、立教大学「立教セカンドステージ大学」教員、一般社団法人 国際統合医学会評議員などを勤める。『日本の森から生まれたアロマ』(世界文化社)、『森の惑星』(世界文化社)、『森と生きる。』(角川書店)、『ロハス・シティの夜明け』(マガジンハウス)、『心に木を育てよう』(PHP研究所)など著書多数。

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